【国家プロジェクトに参画!? 】三陸の「ASC認証」牡蠣づくし会、開催しました!

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カキガールの壬生茜(No.073)です。先日、南青山のレンタルスペース「まかでき食堂」で、12月のカキガール定例会が開催されました。

カキガール18人が参加した「三陸牡蠣づくしNight!」


今回は、東日本大震災によって被害を受けた生産地支援を目的とした「一般社団法人 東の食の会」の主催で、三陸の美味しいブランド牡蠣をいただきながら牡蠣への知識を深める会となりました。

「国際認証 ASC」取得。安心安全の牡蠣。


ます、ASCジャパンの山本光治さんから、「ASC認証」についてご説明いただきました。

「『ASC認証』とは、 Aquaculture(水産養殖) 、Stewardship (管理) 、Council(協会)の頭文字を取ったもので、海の自然を守りながら責任をもって育てられた水産物であることを示す国際的な”海のエコラベル”です」(山本さん)

数ある認証制度の中には、登録をすればそれだけで付与されるような“何ちゃって認証”も多いそうですが、「ASC認証」には125項目の厳しい審査基準があるため、簡単には取得できず、本当に安心安全な食材しか認められないとか。

今回いただいたのはその厳しい審査をクリアした2種類、宮城県の「TOGURAccoかき」と「牡蠣まさむね」です。

なぜ、「ASC認証」が必要なの?

ASCジャパン 山本光治さん
「世界の水産物のおよそ半分は『養殖』が占めているのですが、実は養殖が自然環境に悪影響を及ぼしてしまう場合もあるんです。養殖場建設による自然環境破壊や、養殖のエサのため天然生物が乱獲や過剰利用など。養殖水産業はさまざまな問題を抱えているという実態があります」(山本さん)

つまり、いろんな問題を抱える養殖水産を、将来にわたって“サステナブル(持続可能な形)”でどう行なっていくのかが課題となっているんですね。

「はい。そこで、環境にできるだけ負担をかけず、持続可能な養殖水産物であるということが一目でわかる国際的な”海のエコラベル”が必要になったというわけです」(山本さん)

つまりその”海のエコラベル”「ASC認証」が与えられた「TOGURAccoかき」や「牡蠣まさむね」は、養殖業界が抱える課題と向き合い、世界のトレンド“サステナブル(持続可能な形)”なシーフードを目指し、安心安全に作られた、地球に優しく人にも優しい、イケてる牡蠣ということなのです!

カキガールが国家プロジェクトに協力!?

内閣官房 田島聖大さん
内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の田島聖大さんにもお越しいただきました。

「なぜ、内閣官房? オリンピック?」と思いますよね。

「牡蠣とオリンピック・パラリンピック、全く関係性がないようにも思えますが、オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典だけではなく、文化の祭典でもあります。文化というと伝統文化や工芸などのイメージも多いと思いますが、食文化もその1つなんです」(田島さん)

確かに、そう言われてみればそうですね。


「東京オリンピック・パラリンピックの選手村で使用される食材は環境に配慮した認証を取得していることが推奨されているのですが、日本ではまだまだ該当する食材が少ない現状があります。これではせっかく国内外からたくさんの人が訪れるというのに国産の食材が使えず、輸入に頼らなければならないかもしれないのです。今や、グルメ大国の日本なのに国産の食材が使えないうのはすごく残念な事。そのため、環境に配慮した認証を取得出来る食材を増やしていこうという国家プロジェクトが立ち上がり、その広報的活動が必要なのです」(田島さん)

オリンピック・パラリンピック開催期間中は選手村に限らず、国内外からたくさんの人が訪れます。「日本の安心安全な食材でおもてなしが出来るよう、カキガールも微力ながら普及のお手伝いをさせていただく」、ということでこの会が実現した、というわけです!

そして、牡蠣グルメ三昧、開始!

①生牡蠣


●TOGURAccoかき
ぷりぷりで口の中に広がる磯の香りと甘味のバランスがよく、クリーミーな味わいです。


この「TOGURAccoかき」の産地は南三陸。「ASC認証」を最初に取得した先駆者でもあります。寒流と暖流がぶつかり、リアス式海岸で海と山が近く、山の養分が含まれた川水が湾に注がれることで、牡蠣のエサとなる植物性プランクトンが豊富な地域。この恵まれた環境で、一粒一粒にしっかり栄養が行き渡るように養殖場では牡蠣の密度を調整することで従来は2~3年かけて育てていたところ、わずか1年で出荷できるサイズに育つそうです!

●牡蠣まさむね
こちらは宮城県石巻、三陸沖が産地。養殖漁業のイメージを、“カッコよく”て、“稼げ”て、“革新的”な「新3K」に変え、次世代へと続く未来の水産業の形を提案していく若手漁師集団が作る牡蠣です。

以前は過密状態で養殖を行ない、数を稼ぐ方法で育てていたそうですが、牡蠣の成長が遅く、質もよくならない。仕事量は多いのに、儲からないという悪循環が続いていました。そこで、あえて間引きをし、数を減らしてみたところ、健康で安全で大きく美味しい牡蠣が短期間で育つようになりました。そして価値がUP、今のブランド牡蠣へと成長しました。結果、仕事量も減り、働く漁師さん達の社会面のバランスも取れるようになったそうです。働き方改革の先駆けでもありますね!

食べてみると、大ぶりなのに引き締まった身で歯ごたえも良い! サッパリしているからこそ、大振りでもするっと口に入るし、えぐみも感じず何個でも食べたくなる味わいでした。


また、この二つの牡蠣に共通する作業工程に、「温湯処理」があります。この作業は手のかかる処理で、他ではほとんどやっているところはないという三陸特有のやり方。

牡蠣は育ってくると殻に他の貝や海藻が付着し、栄養や酸素が行き渡らなくなる場合があります。それを防ぐ為、牡蠣をお湯に入れ、付着物を死滅させ、牡蠣だけに栄養が行き届くようにします。これが「温湯処理」です。

このショックにより縦伸びが止まり、代わりに横成長へと変化し、ぷっくりした身になり、加熱調理した時にも身が縮みにくくなるとか! 「ASC認証」に加え、三陸独特の丁寧な工程を経ているから、この二つの牡蠣は殻も綺麗なんですね。


殻を開けたら中身はスカスカ…なんてことも他の牡蠣だとありますが、大きな殻にも負けない存在感のある立派な身が詰まっています。一個でも相当な食べ応えでした!

②ASC牡蠣のリゾットをクロケット~ペルノー風味


牡蠣はぺルノ社のハーブ系のリキュールでマリネし、火を通して野菜と炊いたリゾットをコロッケに。ペルノーソースは魚介との相性が良く、優しい風味のリゾットと牡蠣のマリアージュは完璧でした!

③ASC牡蠣を78℃のコンフィー


野菜・ニンニク、白ワインを牡蠣と一緒に真空パックで15分、78℃でじっくり火を通したコンフィー。火は通ってるのに、生のような触感でプリップリの牡蠣の魅力が存分に発揮されていました!トマトとタバスコソースのピリ辛で大人のお味です♡

④ASC牡蠣のタルタルを大根のブランマンジェとカキ出汁のコンソメジュレ


カキ出汁と大根のブランマンジェの上に牡蠣のタルタルをのせた目にも美しいお料理。タルタルは通常肉を使うことが多いけれど牡蠣のみを使ったカキガールに相応しい豪華なタルタルに! 3層を一気にスプーンでいただきます♪ ゴロっと形を残したタルタルなので口の中で噛んで風味が増します。

⑤牡蠣の燻製をパイ包み焼き~きのこのデュクセル~


牡蠣は低温で火入れし、燻製に。たくさんのキノコと玉ねぎのペーストと共にパイ包みにし、焼き上げたお料理。燻製にする事で旨味が凝縮され、深い味わい! パイで包み、全ての食材が交わり、口の中で美味しさ広がる逸品。

⑥ASC牡蠣のヴァヴァロワ〜白菜のクレーム〜


二層になった見た目が可愛いお料理。下段は牡蠣と洋酒で煮込んだババロア、その上に白菜とクリームのソース、白菜の甘みと牡蠣の相性が抜群です! 全体的にまろやかで優しいお味。

⑦ASC牡蠣と岩手県産じゃが芋ピルカのブルギニヨンバター焼き


ごろっとしたジャガイモと牡蠣のプリとした歯ごたえにニンニクと香草が効いててお酒のお供にピッタリな一品!

⑧ASC牡蠣のラグーをラザニア仕立てに


肉を使ったものが多いラザニアですが、トマトと牡蠣を煮込んだものたっぷりとラザニアで挟み、焼き上げています。牡蠣の風味とトマトの酸味がいい感じで、牡蠣が苦手な方でもぺろりと行けちゃいそう!

日本で唯一!ASC認証の食材が提供できるレストラン「フランセーズ ラ・ポルテ」


今回、牡蠣フルコースをケータリングしていただいたのは、川崎の創作フレンチレストラン「フランセーズ ラ・ポルテ」さん。実は「ASC認証」の食材、取り扱うお店にも「ASC認証」が必要なのです! 「フランセーズ ラ・ポルテ」さんは独立飲食店では国内唯一の認証を取得しているお店。どんなに良い食材を使っていてもお店側が正しい取り扱いをしていなければ、食材を生かす事は出来ない…そこまでの高い意識が必要なのです。


今回たくさんの牡蠣料理をご用意いただきましたが、普段生牡蠣を主に食べていた私にとって、「こんなに牡蠣料理はバリエーションがあるんだ!」と驚かされました。

そして、ホヤガール発足?!

「東の食の会」代表、高橋大就さん
皆様、ホヤという食べ物はご存知でしょうか? 私の地元青森では食べられている食材ですが、東京で見かける事はあまりなく、知らない方も多いのではないでしょうか? 今回そんなホヤも登場しました! 

ホヤの天ぷら
「『カキガールなのにどうしてホヤが?』と思いますよね。ホヤは東日本ではよく食べられている食材ですが、実は震災前、そのほとんどが韓国へ輸出されていました。しかし震災以降、規制により韓国ではホヤの輸入を禁止してしまい、今ホヤを育てている漁場は危機に立たされているのです」(高橋さん)

そこで普及の為、立ち上がった「東の食の会」さん。“カキホヤ理論”を携えて今回のご用意いただいた流れになります。

“カキホヤ理論”って何?

ホヤの刺身
「ホヤは牡蠣同様、栄養価が高く、鉄分っぽさや磯の香りが牡蠣に似ています。そこで、“牡蠣好きはホヤ好きの確率が高い!”として、私が提唱しているのが“カキホヤ理論”(笑)。見た目がとてもグロテスクで独特の風味は好みは分かれるものだと思いますが、一度食べれるようになったらクセになること間違いないです」(高橋さん)

“カキホヤ理論”の通り、カキガールもはじめは見た目に戸惑っていたものの、「食べてみたら好き!」と言う方続出でした。しかもホヤの赤ちゃんってすごく可愛いのです! これは予想外でした(笑)。

私は元々ホヤが大好きなので東京でもっと気軽にホヤが食べたい! だからカキガール兼ホヤガールとしてその普及活動に尽力していきたいと思います。

お土産も


お土産には「東の食の会」さんより、お洒落なお米をいただきました。「福島県産 天のつぶ」こちらを1合真空パックにした面白い見た目! 持ち運びにも便利でお土産やプレゼントにも最適ですね。

食の繋がりの広さに感嘆!


「美味しい牡蠣が好き!」そんな軽い気持ちでカキガールになった私ですが、美味しいとか楽しいだけでなく、生産背景から働き方改革、地球環境にはてはオリンピック・パラリンピックまでと食の繋がりの広さに驚かされ、大変勉強になりました。

私達の口に入るまでにたくさんの方が関わり、大変な労力をかけ、安心安全な食材を提供&調理していただいているのだと思うと頭の下がる思いでいっぱいです。


これからもその食材を絶やす事なく、さらに増やしていけるようカキガールでも盛り上げていきたいと一致団結し、普及活動を誓ったのでした!

東京オリンピック・パラリンピック
https://tokyo2020.org/jp/
ASC
https://www.asc-aqua.org/ja/
東の食の会
https://www.higashi-no-shoku-no-kai.jp/

食べログ情報

フランセーズ ラ・ポルテ


写真、文・壬生茜